サカナの豆知識

出世魚の名前・順番・大きさのわかりやすい一覧

釣り船の釣果情報などで、どう見てもおなじ魚が、全く別の呼び方をされているのを目にしたことはありませんか?

イナダっぽい魚しか写真に写っていないのに、

・イナダ×5
・ワラサ×2

というように、、、なんでだろう?

ズバリ!これはイナダが「出世魚」だからです。

この記事では、成長するにつれて名前の変わる、不思議な出世魚について解説していきます!

出世魚とは?

出世魚とは、成長するにつれて、ある一定のサイズを基準に名前の変わる魚のことです。例えばイナダなどは、小さい方から順に、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリというように名前が変わります。

ですから、名前が違っていても魚種は同じ。ややこしい!

しかし、サイズによって名前が変わるため、より大きな魚を釣れば、大物専用の名前で釣果を報告できる。釣り人のとってはある種のステータスになっているのです。

また、出世と呼ぶくらいですから、サイズが大きくなればなるほど味も良くなる魚が多いです。

釣りのターゲットに見る出世魚

ここからは、釣りをしていてあなたも出会うかもしれない出世魚を紹介していきます!

出世魚の代表格!「ブリ」

出世魚と聞いてまっさきに思い浮かぶのは、何と言っても「ブリ」

青物のターゲットとしても人気が高く、イナダなどは、釣り上げたことのある方も多いのではないでしょうか?

ここで注意したいのは、見た目の似ているカンパチやヒラマサは出世魚ではないという点。ブリ属の出世魚枠は、ブリに取られてしまったからですかね。

そんなブリは、下の表のように名前が変わっていきます。

〈関東〉〈関西〉サイズ
ワカシツバス0〜20cm
イナダハマチ20cm〜50cm
ワラサメジロ50cm〜80cm
ブリブリ80cm〜

関西では、イナダをさす「ハマチ」は、関東では養殖のブリをさすというのも面白い!

また、お正月のおせち料理でブリを食べるのは、出世魚で縁起がいいからなんですよ。

ルアーフィッシングの定番魚「スズキ」

ルアーフィッシングで狙われることの多い「スズキ」

実は、スズキも出世魚なのです。

名前の変化は以下の通りです。

〈関東〉〈関西〉サイズ
セイゴセイゴ0〜30cm
フッコハネ30〜60cm
スズキスズキ60cm〜

60cmを超えて初めてスズキと呼べるサイズとは、、、

シーバスフィッシングのハードルも一気に上がりましたね。

卵は日本三大珍味「ボラ」

釣りの外道として有名になってしまった「ボラ」

昔は高級魚として扱われていたのですが、高度成長期の水質汚染を耐えぬいたがために、汚い水で育った味の良くないボラが出回って評価が下がってしまったようです。かわいそうに、、、

しかし、水のきれいなところで育ったボラは、実はとっても美味しい!大きければ大きいほど油ものって、刺身も焼きも絶品なのです。

また、卵巣も「カラスミ」として200gあたり6,000円〜20,000円で取引されるほどですから、ボラは出世魚と呼ばれるに十分な魚といえるでしょう。

そんなボラの名前は、下のように変わります。

ハク0〜3cm
オボコ3〜10cm
スバシリ10〜15cm
イナ15〜30cm
ボラ30〜50cm
トド50cm〜

一番大きな「トド」は、「これ以上大きくならない」という意味から、とどのつまりの語源としても知られていますね。

名前が変わるのに出世魚じゃない!?

成長するに釣れて名前が変わるのに、出世魚じゃない魚というのが、実はいるのです。

ここでは、そんなかわいそうな境遇の魚たちを紹介していきます。

出世魚になりそびれた「マグロ」

名前が変わるのに出世魚ではない魚とは、「マグロ」のこと。

どうしてこんなことが起こったかというと、冷凍・輸送技術が発達していなかった頃、赤身のマグロは大変痛みやすい魚でした。すぐに腐って「まっくろ」になってしまうからマグロと呼ばれているという説もあるくらいですからね。

そのため、痛みやすい魚に「出世」という言葉をつかうのに抵抗を感じた日本人は、マグロを出世魚と呼ぶのを避けました。その流れが、現代でも続いているということです。

日本人がどれだけ言葉を大切にしていたかが伝わるエピソードですね。

そんなマグロの名前の変化は以下の通りです。

ヨコ・ヨコワ・メジ幼魚
ヒッサゲ・大メジ20〜40kg
クロマグロ・クロシビ成魚

成魚の呼び名の一つである「クロシビ」は、黒くなって死んでしまう、「黒死日」が由来らしいです。どれほど腐りやすかったことか、、、

青物の派閥争いに敗れた「カンパチ」

出世魚の代表格といえば、やはりブリ。しかし、おなじブリ属でありながら、成長につれて名前の変わる魚がいるのです。それはズバリ!「カンパチ」

目の上にある黒い線が、上から見ると漢数字の八に見えることからその名のついたカンパチ(勘八)は、以下のように名前が変わります。

ショッパシヲ

〈関東〉〈関西〉サイズ
モジャコモジャコ0〜5cm
モジャコシヲ5〜20cm
シヲコシヲ20~60cm
アカハナカンパチ60〜80cm
カンパチカンパチ80cm〜

マグロと違って日持ちもするし、味も悪くないカンパチがなぜ出世魚に選ばれなかったのか?

それは単純に、おなじブリ属として幅を利かせていたブリが、出世魚として人気すぎたことに尽きると思います。悲しいかな。ブリに似た魚に、もう出世魚はいらないというわけです。

まとめ

一般的に、成長するにつれて名前の変わる魚を「出世魚」と呼びます。

しかし、中には名前が変わるにも関わらず、「日持ちしない」「味が悪い」ことなどから、出世魚に認定されなかった魚もいます。(カンパチは決して味が悪いとは思いませんよ!)

そのため、出世魚と呼ばれる魚は、ただ単に名前が変わるだけでなく、万人に認められる美味しさを秘めているのだと思っていいでしょう!

今後出世魚を釣り上げたときは、その魚がどの名前にあたるのかまで気にかけてはいかがでしょうか?

出世魚は成長するにつれて名前が変わる。
日持ちしやすいものが多い。
味もよいものが多い。